よくわかる歯周病のすべて
歯肉(歯を支えているもの?)
歯を支えているのは“歯肉” ではなく、そのすぐ下にある顎の“骨”です。歯肉は骨を乾燥から守る薄い肉のカバーで、歯の支えにはなりません。
健康な歯の周りの環境
健康な歯と歯肉の隙間の溝には、殺菌作用のある白血球から成る強力な消毒槽が形成され、外からのばい菌の侵入を防いでいます。
炎症で歯肉が腫れる
ばい菌が増えると、それに応じて歯肉内の血管から白血球(殺菌細胞)が歯肉の表面に動員され、外からのばい菌の攻撃に対抗します。血が大量に集まるため歯肉は膨れ(腫れ)、赤っぽくなったり、ちょっと触れるだけで血が出やすくなったりします(歯肉炎)。このように体がばい菌と戦う反応を炎症といいます。
歯周炎の進み方1
さらにばい菌が増えると、ばい菌が歯肉を歯からはがし歯と歯肉の隙間の溝を深くしつつ、ばい菌も深くまで入り込み、次第に歯の周りで歯を支えていた大切な骨を溶かしてしいきます。そして死んだばい菌は歯石として、歯の表面にこびりつき、そこにはさらにばい菌がたまりやすくなります。
歯周炎の進み方2
このようにして隙間の中で増えたばい菌はさらに歯肉をはがし、骨を溶かし続けます。
これが歯周炎なのです。しかも歯周炎ははじめのうちは痛みもなく、見てもわかりにくいのが最大の特徴なので発見がおくれがちなのです。
歯周炎のまとめ
治療とは?
治療とはあくまでも原因を除去することです。よく行われる右側の行為は、症状を取るだけの応急処置にすぎないのです。それでは決して歯周炎を根本的に治すことはできません。
歯周炎の治療法
正しい歯磨きを続け、歯と歯肉との境目にいるばい菌を減らすだけで、歯肉の腫れはひいていきます。その後で歯肉の中にある歯石を除去します。治療のゴールは、今の骨の位置まで歯肉がなくなること(腫れがとれる)です。正常な歯周組織とは、歯肉のすぐ下に骨がある状態を言うのです。
軽度歯周炎
骨の位置(黒ライン)は歯肉の位置(ピンクライン)より少し上にあります(左)。治療後、歯肉の位置が骨の位置に近づき、歯の周りにばい菌のたまり場となる隙間がなくなり健康な歯周組織になりました(右)。
中等歯周炎
初診時の歯肉と骨の距離はさらに離れてます(左)。治療後は、歯肉が骨の位置に近づきましたが、骨が減っている分、治療後に歯と歯の間にできる隙間は大きくなりますが、これが健康な状態なのです(右)。
重度歯周炎
初診時の歯肉と骨の距離はさらに離れています(左)。初期治療後は、やはり歯肉が骨の位置に近づきます(右)。歯周病さえ治せば、この見た目の問題は後から改善することが可能です。
